後ろについてきたひまりちゃんが声を上げる。
その瞬間、ひまりちゃんが佐藤くんのほうをちらっと見る。目のあった二人は、恥ずかしそうに顔を逸らして、別々の方向を向く。
なんだこの中学生○記は。見ているこっちのほうがむず痒くなる。
「ほらほら、詰めてください。ひまりちゃんはこっち!」
「えっ、えっ」
「ちょ、結城……!」
「恭ちゃん、こっち入って!」
「任せろ」
恭ちゃん、ひまりちゃん、佐藤くん、私の順番で、挟み撃ちにしてやり、恭ちゃんと私はぐいぐい押して、二人を無理やりくっつけさせてやる。二人ともその顔は、びっくりするぐらいに真っ赤だ。
私は持っていたスマホを内カメラに切り替えて、みんなと金閣寺が入るポジションにスマホを持ってくる。
「じゃあ~、掛け声は私が京都って言うので、大好き~で!」
「何それ」
心底嫌そうな顔が内カメラ越しに見える。フッ、そんな顔がしてやれるのは今のうちだぜ、佐藤くん……お覚悟!
「はい、じゃあいきますよ~こっち向いて~」
一様に、赤い顔が二つこっちを向くのを確認しつつ、私はにやにやが抑えることができずとても修学旅行で友達との思い出を深める一ページに映っちゃいけない面持ちのまま、ボタンに手をかける。



