佐藤くんは甘くない



そして、作戦その二。

『一緒にカメラに映ろう』


「おー! キンキン!」

「キンキン!」


それぞれの班に分かれた後、私たちのクラスは金閣寺を見に来ていた。

小学生のころも一度修学旅行で訪れているものの、めったに生でお目にかかれないせいか、私と恭ちゃんは興奮気味に金閣寺をスマホのカメラで連射する。


その後ろを、心底どうでもよさそうに目を細めながら佐藤くんとひまりちゃんがついてくる。佐藤くんは完全に私たちを買い物に付き合わされるお父さんの表情だった。

ええい! 二人とも新婚初日の夫婦かい!


そんな当たらずしも遠からずな距離ばっかり保ってやるなよ! まどろっこしい!


私は後ろを振り返り、佐藤くんを見てみると、ちらちらとひまりちゃんの様子を窺いながらも、なかなか『あの作戦』には手が伸ばせていないようだ。

はあ、ここは私もひと肌脱いでやってやるか……。


「ちょ、写真撮ろう写真」

「引っ張るな」

「アレ、一発とっておかないと後悔しますよ!」


無理やり嫌がる佐藤くんの腕をつかみ、写真撮影する生徒たちのあいだをぬって歩き、ちょうど後ろに金閣寺が来るような立ち位置に連れ込む。

「いや、俺小学校の時見に来てるし」

「ひまりちゃんと来るのは初めてじゃないッスか」

「えっ」