佐藤くんは甘くない



『となり、座ってもいいですか?』


そして、もう一度私たち3人は床に座って画面に向き直ってゲームを再開し始める。


佐藤くんが、ワクワクする私たちをよそに恐る恐る、丸ボタンを押す。

例のごとく、ぴろんと効果音が鳴ると、選択肢が画面に表示された。



『1「別にいいけど。あんまり近寄らないで」


 2「いいよ。俺、一度雛森さんと話してみたかったんだ」


 3「可愛い子ならだれでも大歓迎だよ!」』



「3ですね」

「3だな」


「絶対違う!!」


佐藤くんが真顔で言った私たちを全力で止めるかのように、大声でそう言う。

チッ、さすがに佐藤くんでもこれはおかしいって思うか……!

私はばっと画面を指して、

「よく見てください、佐藤くん。この主人公実は雛森さんにずっと片思いをしていたけれど、話すキッカケもなく日々を過ごし続け、どうしても話を続けたいがためにわざとチャラさを演じて後で誠実な男性であることを印象付けるギャップを狙ってるんです!!」

「そんな壮大なストーリーだったのかよ、これ」


「たった今作りました」


「もう黙れ息吸うなよ酸素に申し訳ないから」


やっぱり佐藤くんを騙すのは無理だった。