へっへっへ、佐藤くん察しがよろしいようで。
悪徳お代官様のような顔になっていたに違いない。だとすると、佐藤くんは帯を外されあーれーされる人だろうか。この場合、私が暴くのは佐藤くんの羞恥心なんだけど。
「あーじゃあ、佐藤くんがひまりちゃんの好きなところを一つ言う」
「ゴホッ」
「ごほっ」
気を紛らわせるように飲んでいたお茶を吹き出し、咽たのが佐藤くん。
可愛らしくチョコをもぐもぐしていたのに喉に詰まらせたのがひまりちゃん。
私は慌てて、隣に座るひまりちゃんの背中を摩り自分のお茶を差し出す。真っ赤な顔をしたひまりちゃんがな、な、な、と口をぱくぱくさせて、赤くなったり青くなったりを繰り返していた。
視線を動かすと、恭ちゃんも同じように佐藤くんにしていた。
なんだその打ち合わせしたかのような連帯感。流石の私と恭ちゃんもここまで連帯できないよ。
「ゆ、ゆうき……!」
佐藤くんが抗議の声を上げる。おやおや、そんなことしてよろしいのかな、佐藤くん?
私はひまりちゃんが顔を伏せて、両手を覆っている間に佐藤くんのほうに顔を向け、口だけを動かしながら、言って見せる。
『決めたのは、佐藤くん』
「うっ」
言葉を詰まらせる佐藤くん。その肩を気の毒そうに、恭ちゃんが叩いた。救いを求めるように、恭ちゃんのほうに顔を向け、その表情に絶望が浮かんだのが見えた。
なぜなら、恭ちゃんはとても溌剌とした笑みで──ぐっと、親指を突き立てて、まるで戦地に仲間を送り込む裏切り者のような顔をしていたからだ。



