少しだけ、笑ってしまいそうになる。
あんなに恭ちゃんの前で散々泣いたはずなのに、いったい私はどれだけ涙を零せば済むのだろう。こんなに泣いたら、体中の水分がなくなってからからに干からびてしまいそうだ。
「泣き虫だなぁ、もうバカかよ私は……あはは、は、は……は、……ぁ、ぅ……っ、うぅう……っ」
乾いた笑い声が、いつの間にか泣き声に変わっていく。
手の甲でこすっても、こすっても、あきれてしまうほど、涙が止まらない。
ふと、頬に冷たいものが触れて私は、気づく。
手のひらを広げて、見ると私の右手の薬指に───半透明な青い光を放ちながら、それはあった。
……これぐらいは、いいよね。
そっと、触れる。熱を持った指先は、たちまちその冷たさに熱を奪われていく。
これぐらいの、わがままは、いいよね。
ちゃんと、私の気持ちに整理がついたなら、手放すから。だから、これくらいは、いいよね。
ぎゅっと、胸に押し込むように両手で握りしめる。
「さとう、く……っ、す、き……」
ああ、いっそのこと、流れおちる涙の分だけ、私の思いも流れ落ちて消えてしまったら、いいのに。
そうしたら、こんなに苦しい気持ちに押しつぶされることも、なかったのに。



