佐藤くんは甘くない




ドン、また打ちあがった花火。

薄暗い保健室が一瞬、明るくなる。……その時、ようやく気付いた。


何かにすがるみたいに、佐藤くんがぎゅっと震える手を握りしめていることに。


「ひとつだけ、確認したいことがあって、来たんだ」


「……かく、にん……?」


佐藤くんが震える手をより強く握りしめる。





「今日の、教室のやつ。

 
 …………隣にいてくれるか、って。まだ、返事聞いてない」





それを聞くために、佐藤くんは私のところに来たんだ。


「わたし、は」


言ってしまいたい。

言ってしまったらどれほど楽になるだろう。


私の隣にいてほしい、ずっといてほしい。一緒に、いたい。



佐藤くんが、すき。