ぽん、もう一度恭ちゃんが私の頭をたたく。
今度は、優しく、優しく、壊れ物を扱うような手つきで、なでてくれる。
「俺の前でくらい、隠さなくたって、いいんだ」
「……っ」
「お前のわがままくらい、受け止めてやる。お前が泣きたいときは、ちゃんとそばにいてやる。一人で苦しむなんて、水臭いだろうが。
……ちょっとくらい、格好つけさせろよ。それくらい、俺にだってさせてくれる権利、あったっていいだろ?」
今も昔も変わらない、その優しいてのひらは、いったいどんな魔法があるんだろう。
あんなに隠し通そうと躍起になってきたはずなのに、もう、壊れそうだ。……佐藤くんの前では、ちゃんと隠せていたのに、おかしいなぁ。
こいつの前になると、私の涙腺はどうもゆるくなってしまう。
声が、震える。
視界がぼやけて、せっかく買ってきてくれたたこ焼きにぽろぽろ涙がかかってしまうのもお構いなしに、私はしゃくりあげながら、また涙を零す。
「……くんが……っ、さ、とうくんが……きょう、こく、はく……するって」
「……うん」
「わ、たし……、きめたのに……っ、なのに、ずっと、苦しい……っ。いや、だ、こんなの……っこんなこと、思いたくないのに……っ」
「うん」
「やだよぉ……っ、さと、く……すき、なのに……やだぁ、やだよ……っ」
「……ん」
恭ちゃんが、誰からも見られないよう隠してくれるみたいに、そっと腕を回して包み込んでくれる。
本当は何かにずっと縋り付きたくて、でもいけないんだってずっと押し込めていた。こんなことは間違っているんだって私も恭ちゃんもわかっているけれど、私はまた、恭ちゃんを頼ってしまった。



