その剣士の様子に、王子は愉快そうに口角が上がる。
そして一歩、一歩、剣士と白雪姫のほうへ向かってくる。あと、5歩、4歩、3歩───再び足が上がったその時。
『……ひとつ聞いても、よろしいでしょうか』
俯いたままの剣士が、王子の足を引き留めるように言った。2歩目を進めようとしていた王子の足が戻る。
王子は何も言わず、ただ剣士が聞いてくるのを待っているようだった。
彼は剣を握りしめた手に力を入れ、そして抱き寄せた白雪姫の温かさを確認するようにもう一度引き寄せる。そして、ようやく口を開いた。
『王子が本当に、白雪様の父上を殺したのですか』
長い、長い、沈黙が流れた。
そして、その沈黙を破ったのは。



