『さてと、みんなそろそろ休んでいいわよ。お弁当を作ってきたから、持ってくるわね』
はーいという元気な声をしり目に、白雪姫が踵を返す。少し遅れて剣士も後ろをついていく。白雪姫はすくりと笑った後、
『お弁当はすぐそこに置いてあるから、そこまでついてこなくても大丈夫よ。悪いけれど、すぐそこの川で水を汲んできてくれるかしら?』
剣士が一瞬、戸惑うように、というよりも心配そうに白雪姫を見返す。すると、彼女はそんな不安を取り払うように、笑みを向ける。
『何があっても守ってくれるんでしょう?ちゃんと信頼してるわよ、あなたは私の剣なんだから』
『……』
顔を赤くした剣士が、言いくるめられてしまったせいでなにも言い返すことができず、小さくため息をついた後、わかりました、とつぶやく。
満足げに白雪姫は笑うと、お弁当の置かれた木陰まで歩き始める。
少し大きめのバスケットを見つけると、彼女は小走りでその木の幹まで走り、揺らさないようにそっと持ち上げようとした、その時だった。
『───こんにちは』
その声は、その柔らかな、優しげでいて、どこか冷え切った声音は。



