佐藤くんは納得いかない顔で画面へ向き直ると、ゲームを再開し始める。
主人公は高校二年生で、平凡な日常を送っているらしい。
『あー起きるのだるいなぁ、学校めんどくさっ』と、主人公。
「漆黒の美少年って名前の時点で、かなり特徴がにじみ出てる気がするのは私だけッスか」
「廊下歩くだけでプークスクスって笑われそうだな」
「誰がこんな名前付けたんだよ」
佐藤くんがじいっと睨みつけてくるので、瀬尾は口笛を私は瀬尾の口笛に手拍子を打って誤魔化してみる。
ぽちっと、丸ボタンを押すと漆黒の美少年の紹介が終わり、
『もーっ!早く起きてよ美少年お兄ちゃん!!』
画面いっぱいに、ショートカットのくりくりな瞳の女の子が表示された。
すると、漆黒の美少年から『こいつの名前は、大杉 雪菜。家が隣同士の幼なじみでひとつ下。いつも朝になると起こしてくるありがた迷惑な妹みたいな存在だ』と説明が表示される。
「……兄のように慕う幼なじみに、美少年って言わせてる時点でアウトでは」
「だってどう思う、美少年お兄ちゃん」
「うるさい黙れ」



