佐藤くんは甘くない



舞台は変わって、小さなテーブルや小さな椅子、小さな小窓に、小さなベット、どれも普通の人間よりもはるかに小さなその家には、どれも7つ色違いで家具や皿が置かれていた。

腹黒姫は、その小さな椅子を二つ並べて腰下ろしたまま、ぐるりと視線を巡らせる。


その眼光にびくびく肩を震わせながら、7人の小人が身を寄せ合う。ちょっと大きいのは大人の事情だ。


『ほー、つまり久々に人に出会ったから引き留めようと思って、あんなアホなマネをしたと』

『す、すいませんでした。何せ、俺達小人と言いつつ身長も日本人の平均身長ですし、ここ最近は観光客も減ってきて、心も懐も冷え冷えしていく一方でして』

『…………小人ってそんな感じだっけ。もうちょっとファンタジーじゃなかったっけ』

『小人は仕事です』


赤色の帽子をかぶった小人が、真顔で即答した。

すると、青色の帽子をかぶった小人が苦しげに額に手を当てながら、


『だから言ったジャン、無理あるって。子どもだったらまだ小人で通せたけど、もうさすがに無理だって。小人の衣装なんて着たら、パッツンパッツンでほぼ職質されるアレな人にしかみえないから、もう小人のイメージを払しょくして新事業開拓しようって』

ファンタジーにあるまじき疲れ切った顔で言った。

すると、黄色の帽子をかぶった小人は大きくため息をつく。

『夢を届けるどころか、現実投げつけてるじゃん俺達』

『俺、今月実家に仕送りしてねえよ。かーちゃん……』


『…………小人って、7人兄弟じゃないのね』


腹黒姫ががっかりしたように肩をすくめる。