佐藤くんは甘くない




「ぶほっ……!!」


一番最初に吹いたのは瀬尾だった。


「誰だよ漆黒の美少年って!」


「どこにでもいるっ、平凡な高校生……っだろ……!」


もう瀬尾が笑いすぎて赤さを通り越して、紫色になりかける顔。

私もこらえきれなくなって、口元を押さえながら何とか飲み込む。


「っっ、名前変える!」


「待て待て」


「なんだよ」


「ほら、名前考えるの面倒なんだろ?あ、それともやっぱり朝比奈に名前で呼ばれたかったとか?」


「べ、別にそんなんじゃないしっ!ただ、」


「じゃあいいだろ、名前変えなくても。感情移入する必要なんてないし、だろ?」


「……ぐっ……」


佐藤くんが悔しそうに呻きながら、しぶしぶコントローラーを持ち直すと、丸ボタンを押した。

さすが瀬尾、佐藤くんの扱いにかなり慣れていると見た。