『昔々、あるところにとても綺麗なお姫様がお城に住んでおりました。お姫様は透き通るような白い肌をしており、人々は口々に彼女のことを白雪姫、と呼んでおりました。
……が、しかし、現実はそこまで優しい物ではありません』
私のナレーションに合わせて、コツコツ靴の音を騒がしく鳴らしながら、走ってくる白雪姫……ではなく、そう腹黒姫。
『あーもう本当にありえない!いまどき政略結婚なんて時代錯誤もいいところだわ。あんのくそじじい、いいように扱いやがって……っ毎晩髪の毛が爆発する夢でも見ればいいのに。うちの学校の校長のハゲのほうがまだ良心的だわ!』
どかんと、体育館に笑いが巻き起こる。
今更だけど、これ後できっと始末書もんだよなぁ。校長先生の真っ赤に怒鳴り散らす顔を思い浮かべながら、私は次のセリフを読み上げる。
『そう、彼女は容姿端麗、誰もが絶賛する美少女でありながら、その本質は彼女に取りつかれた男も裸足で逃げ出すような性格ブ、』
『んだとコラてめえ表でろ!』
『わーなんて可愛いんだろうーあッ、可愛すぎて失笑が止まらない……っ』
『ムキーっ!』
腹黒姫は大きく地団駄を踏んで憤慨。
これまたどっと笑いが巻き起こった。よし、掴みはいい感じだ。



