佐藤くんは甘くない



破裂しそうなほど、大きな心拍音が鳴り響く。

幼い子どものように無邪気な笑みを浮かべる、佐藤くんから視線が、外せなくなる。見ちゃいけないと、心の中で大きく誰かが語りかけてくるのに、動けない。



「他の奴に守らせる隙も見せないくらい、守るよ」


「……ぁ、」


「だから、隣にいること、許してくれる?」


「……さと、く」


「答えて」


顔が、熱くなる。

何も考えられなくて、真っ白になっていく。
とん、と私は思わず後ろに一歩下がってしまった。


私は。

……私は、佐藤くんを。


ぎゅっと、唇を噛みしめる。甘い痛みと、突き刺すような痛みが心臓を突き抜けていく。ただ、思い浮かぶのはひまりちゃんの笑顔。

佐藤くんは、そんな私を振り返って小さく笑うと、言った。








「───これ、劇中のセリフなんだけどさ」