佐藤くんは甘くない



「じゃ、はい」


コントローラーを佐藤くんに手渡すと、瀬尾はなぜかずるっと後ろに下がった。


ん?


なんとなく不思議に思ったけれど、特に何も言わず私はまた画面に視線を戻した。


そして、しばらくロード画面の後、ちゅんちゅんという小鳥のさえずりとともにだんだん画面が明るくなっていく───どうやら、主人公のモノローグらしい。


主人公が目を覚ますと、そこは自室。


そして、ぴろんっと小さな効果音とともに画面の下に文字が表示される。








『僕の名前は✝漆黒の美少年✝。どこにでもいる平凡な高校生だ』














✝漆黒の美少年✝




3秒で、私の腹筋は壊れた。