佐藤くんは甘くない



「ま、まあ。簡単だって言っても自分が攻略したいと思わないと、ダメッスよ」


私は床に置いた説明書をばっと、佐藤くんの前に出して、


「取り敢えず佐藤くんは、どれがいいですか?」


そんな嫌そうな顔するかね、君。


佐藤くんはめんどくさそうに横目で説明書に乗った攻略可能な女の子たちを見て、それからちょっとだけぴくっと眉が震える。


それから、ばっと向こうを向いてしまう。ちょ、選んでくださらなければ意味なくないですか。


と、口に出す前に、佐藤くんがちょんと、説明書の真ん中辺を指した。


「……これ」


「あ、はい」


ツンデレ佐藤くんのハートを射止めたのは、一体どんな子だ。


なんだかドキドキしながら、ぱっと説明書を自分側に向けて、佐藤くんが指した女の子を見る。




『雛森くるみ。ちょっと天然だけど優しい女の子。クラスのみんなからも好かれていて、園芸部の部長。趣味はお菓子作り、ガーデニング』



まんま、ひまりちゃんだった。