びっくりして、勢いよく振り返ると、そこには数枚のプリントを持って立つ佐藤くんの姿があった。
「なんでそんな驚いてんの」
佐藤くんがあまりの驚き様が可笑しかったのか、くすくす笑いながら私の隣へやってくる。
「あ、あはは考え事してて」
「ふうん。……あ、これ。追加の分」
そういって、佐藤くんが持っていたプリントを差し出してくる。受け取ってみてみると、どうやら台本の続きのようだ。
ぺらぺら捲った後、私はその一枚をまたコピー機に入れる。スイッチを押す。ブーンと大きな音を立てながら印刷をし始める。その音だけが、やけに響いていた。
佐藤くんは特に何もしゃべらなかった。
もう、やることもないのになぜか教室には帰らずに、ずっと私の隣に立っていた。
それから、全部のプリントを印刷し終わって、それを束ねている時ようやく佐藤くんが口を開いた。
「───体調は、大丈夫?」
その言葉に、私の手が止まる。