佐藤くんは甘くない



何を隠そう、瀬尾の親にも男友達にも言っていない趣味。


それは、ギャルゲーである。


ギャルゲーとは女の子がやたら出てきて、やたら主人公に突っ掛りながら恋愛に展開していくゲームの総称。


ついこの前、課題を移さしてもらおうと窓から侵入したら、偶然ギャルゲーをやっている瀬尾に遭遇した。


その時の瀬尾の焦りようと言ったら、動画で撮影したいくらい面白かった。


「ほら、瀬尾。起きなよ。始まっちゃうよー」

私が後ろを振り返って、バンと布団を叩くと、


「何の罰ゲームだよこれっ……もうやめてぇ……」

「何言ってんの、恋愛ゲームじゃん。らぶ♡ぱっしょん!あなたがそばにいるだけで、心臓はち切れそうにドキドキ~らぶらぶ、ぱっしょん~ドキドキしちゃってもう~、」


「歌うなぁ……っもういっそ一思いに殺してぇ……っ!!」

バンバンベットを叩きながら乱心する、瀬尾。

やべえ、これ癖になる。