佐藤くんは甘くない



中学3年生の最後の大会があった。

俺もあいつも部長になってた。先生も今年のメンバーなら県まで行ける、もしかしたらその先も行けるかもしれないって期待してた。その分、プレッシャーも強かったけど。


忘れもしない。


ちょうど、大会の一か月前だった。


その日も、俺たち二人で遅くまで残ってシュート練習してたんだ。気が付いたら7時回ってた。もうすぐ夏がくるとは言っても、7時だとあたりも暗くて。


───雨が、降ってたんだ。

物凄い雨だった。遠くの方でも雷が鳴ってるのが聞こえた。中学校からは家が近かったからさ、母親に電話して迎えに来てもらうのも悪いから急いで走って帰ろうってことになった。



ちょうど、最後の信号にあたったときだった。



青信号がさ、雨の白靄ではっきりとは見えなかったけど点滅してたんだ。予想してたよりもすごい雨で、俺は早く家に帰りたかったから…………本当に、馬鹿だよな、そのまま渡ろうとしたんだ。



パアアアアってクラクションのなる音が、左側だけやけに響いてた。ドラマの時とか、走馬灯流れるじゃん。あんなの一切なかった、ただ目の前がトラックのライトでぱあって明るくなって突進してくるのだけは、分かった。


その時に、ああ、俺死ぬんだろうなって思った。




後ろで、聞こえたんだ。

恭ちゃんって、叫ぶ声が。