佐藤くんは甘くない



親同士が仲良くてさ、なんていうか家族ぐるみでの付き合いって言うのが多かった。

必然的に俺と、結城はいつも一緒にいた。


隣にいるのが、自然、というか当たり前だったんだ。そりゃ生意気ばっか言って喧嘩もよくしたし、一生口きいてやるかーみたいな喧嘩もしたけど、やっぱり結局俺たちずっと一緒だったんだ。




そのころさ、結城の親父さん、小学校のクラブでミニバスケのコーチやってんだ。



佐藤は知らないかもだけど、あいつさずっげー運動神経いいんだ。運動神経っていうよりも運動センス、かな。あれ、絶対数学の才能全部持ってかれた結果だよ、くく。


そんなつながりもあって、あいつは小学校入ってミニバスケのクラブに入った。……結城はすぐにバスケにのめり込んだよ。


それがすごいのなんのって。


すぐに上達したよ。体格の違う小学6年生相手に何本もシュート入れてさ。そんな結城に憧れて、俺がミニバスケのクラブに入ったのもたぶん、必然だったんだろうな。


朝走って、夕方ドリブル練習とかシュート練習とか、いっぱいやった。


小さな大会で優勝したこともあった。結城が小学6年生になるころには地区の中でちょっとした有名人だったよ。天才少女現るってさ。


……俺?

まあ、普通かな。並み。

俺どっちかって言うと努力で這い上がるタイプだからさ。