佐藤くんは甘くない




だんだん遠くなる足音が聞こえなくなるのを確認して、俺は小さくため息をついて天井を見上げた。

真っ白な天井が、天気のせいかやけに薄暗く見える。



聞こえるのは、結城の小さな寝息だけ。

静かすぎるせいで、思考だけが先走りしていく。さっきの結城の乱れようと、そしてあの言葉がぐるぐる頭の中を走っていく。




『───まだ、恭ちゃんのこと……好きなままで、……ごめん、ね』







「───」


あれ。

どうしたんだろう。


違和感を感じて、俺はそっと自分の制服の上から胸元を握りしめた。どうして、こんな変な感じがするんだろう。心と体にずれが生じてしまったような、違和感に顔を顰めた。


俺にとって結城は───、とそこまで心に何かが出かかったその時。