佐藤くんは甘くない







「ピシュコアー!テッテレテッテッテー!テテー!!



 ギャルゲームぅぅううう!」



4次元のポケットから便利道具を出してくれる、青狸のごとく私はそれを高く高く掲げた。



すぐ横には、私から取り損ねたことに絶望して、四つん這いで涙をのみながら床を叩き続ける瀬尾。


そして、きょとんとした顔でそれを見上げている佐藤くん。



「ぎゃる、げー?」


「モテない男どもがせめて2次元ではモテたいと願望を全部詰め込んだ幻想です」


「恋愛シュミレーションゲームだって言ってんだろうが!」