佐藤くんは甘くない




通そうとしていた腕を、掴まれた。


でも、恥ずかしくて顔があげられそうにない。私は、佐藤くんから顔を逸らしたまま、


「なんでしょうか」


と言った。間髪入れずに、佐藤くんが珍しく焦ったように早口で、聞いてくる。


「結城、なにしてんの」

「胴回り測ろうと」

「……」


佐藤くんが理解したのか───あ、と小さく言葉を漏らしてそのまま押し黙ってしまった。返事が返って来ない。

むしろ、このまま触んな、もういい瀬尾に測ってもらうとか怒ってもらえたら、なんて頭の中で考える。


でも、佐藤くんは───掴んだ私の手をするりと離した。そして、そのまま黙ったままだ。





……えっと、これは。


どうして、私を振り払わないんだ佐藤くん。

なんで、ちょっと震えてるくせに、私を振り払わないんだ。それじゃあまるで、私に。







「───早くしてよ、ばか」




私に、抱き着かれてるの許してるみたいじゃないか。