佐藤くんは甘くない



「そういえば、結城こそ先生に呼ばれてたけど」

「ああ」


もう頭の中から飛んでいた。

すっとポケットに忍ばせたそのプリントを、手のひらに宛ててみる。


「なんか実行委員の補佐にされました」

「補佐?なにそれ」



くすくす、と佐藤くんがおかしそうに肩を小さく上下させて笑う。

無邪気な子どもみたいな笑み。少しだけくすぐったくて、私はなんとなく前髪を払って気を紛らわせる。


目の端にたまった涙をぬぐいながら、佐藤くんが言う。


「ま、なんとなく分かってた」

「えっそうなんスか」

「瀬尾が先生とそれとなくそんな話してたから」







すべての元凶はあいつか。