ぎゅっと、私の制服の裾を握っていた佐藤くんが少しだけずれて、顔を出す。 「……俺は、」 ごくり、と息を飲む。 教室にぴんと糸が張り詰めたような緊張感が漂う。 佐藤くんが、唇を噛みしめて恥ずかしそうに瞳を伏せる。 「あ、」 が、頑張れ佐藤くん……!! 「あ……っ」 ぎゅっと、目を瞑って佐藤くんがばっと顔を上げて、言った。 「───あんまりっ、気を張らない結城がいい……!」 思わず後ろから、ぽんと頭をチョップしてしまった私はあながち間違いではないと思う。