佐藤くんは甘くない



佐藤くんが女嫌いのままでは、これからの進展もくそもない。


まず第一に、佐藤くんの女嫌いを直すのが先決だ。


「というわけで、私は考えました」


「不安しかないな」


「うるっさい」


「いでっ」


ばしっと、横やり入れてくる瀬尾の顔めがけてベットの枕を投げつける。

見事瀬尾の顔にどストライク。ふん、ざまあ。


強打したらしい鼻を押さえながら、


「で、なんだよ」

ジト目で見てくるけれど、瀬尾だから気にしない。


「ふっふっふ」


私は笑いながら、瀬尾の部屋のちょうどドアの横へ。

不思議そうに私の行動を見ていた瀬尾の顔色がだんだん、青くなっていく。ふあはは、遅いぞ瀬尾!貴様はもう手遅れだ!!



「……ちょっと、待て。なんでクローゼットに、」

「ふあっはははあはははー!!」


───バン!

高笑いとともに、クローゼットをと開けて、慌てて止めようとする瀬尾からするりと抜け、整頓された棚の奥から……〝ヤツ〟を取り出して、掲げた。