佐藤くんは甘くない



はあ、とため息をついた。


俺がどうしてため息をついたのか、分からない鈍感な朝比奈さんはん?と首を傾げるばかりだ。本当に、長期戦しかない。


さんざん言われたんだから、何か仕返しでもしてやろうかなと思った、その時。


「あ!」

と、いきなり朝比奈さんが声を上げる。今度はなんだろう。


何を言われても驚かないと、思う。たぶん。

ぐっと肩に力を入れて、朝比奈さんの次の言葉を待つ。


珍しく、朝比奈さんが、口元に手を当てて苦渋の表情を浮かべる。そして、ふいっと俺の方を振り返ると、言った。









「わたあめ食べたいって思ってたの、忘れてたよー……」






「……」




肩が外れるかと思うくらい、脱力した。