佐藤くんは甘くない



「痛い?」

「……い、いだくないっ」


嘘つけ。

すごい涙声なのに。


そこで意地を張る朝比奈さんが、いつもよりずっと近くに感じでしまって笑う。こんな表情するんだって。


今より、気持ちが膨れ上がってしまいそうで、怖くなる。


「……お、終わりましたか」

「ん、あと絆創膏貼るだけ」


俺がそういうと、朝比奈さんはぎゅっと閉じていた瞳を薄目で開いて確認した後、ほっとしたように手に入っていた力を抜く。


絆創膏を手に取って、朝比奈さんの手の甲に貼っていると、ふいに声が降りてくる。


「ね、佐藤くん」

「なに?」





「───佐藤くんと、こはるちゃんってなんで急に仲良くなったの?」




後ろにこけそうになった。