みるみる佐藤くんの頬も赤くなっていく。
そんな佐藤くんをみる私の頬も、なぜだか熱い。
佐藤くんはぶんぶん、片手を振りながら、
「ち、ちがっ、今のはっ」
「あ、はははい!わ、分かってます分かってます!!」
「だからっ、そのっ、ゆ、浴衣が綺麗だって意味で決してそういう……!」
「あ、ああはははそうですよね、知ってます知ってます浴衣ッスおうイッツ浴衣ビューティフル!!お、お世辞でも嬉しいっすいやーはは、ちょっとびっくりしたじゃないすかまったく、佐藤くんは人を驚かせるようなお世辞がうまい人ですねー!」
「そ、そういうことだから!じゃ、じゃあっ」
耐え切れなくなったのか、だんだん歩幅とスピードが速くなっていく。ついには、前を歩いていた瀬尾とひまりちゃんすら追い抜いていた。瀬尾がおーい佐藤?と控えめに呼ぶ。
そのままずんずん進んでいく思ったら、いきなり止まった。
そして、くるりとターンしてくるとなぜだか、顔を顰めて私のほうに向かってくる佐藤くん。
「あ、あの佐藤くん?」
少しだけ肩を揺らしながら、佐藤くんは小さく息を吐くと、
「なんか今、冷静に考え直してみたらムカついた」
「……は?」
「俺、嘘はついてないから」
はっきりと、断言するように。
「結城にお世辞とか、言わないから」



