佐藤くんは甘くない



「……は?」


その言葉を聞いた瞬間、頭が真っ白になった。

え?

……は?

は?



「え、あ、の、あ……」


好きって、何が?誰が?え?

上手く、口から言葉が出てこない。頭が真っ白になって、まるで頭の中からすべての言葉が零れ落ちてしまったみたいだった。


目を閉じることもできなくて───私はただ、目の前で私の瞳を捉えて離さない、佐藤くんを見つめる。


そして、佐藤くんはもう一度念を押すように、言った。


「好きだよ、ほんとは」


がつんと一発、後頭部に鈍器でも殴られた衝撃がやってくる。


誰が、誰を。

なんで?だって、あれ、え、あれ。


頭の中がぐちゃぐちゃだった。ただ、分かるのは───私を引き留めた佐藤くんの手のひらが、溶けてしまいそうなほど熱くて、そして離さないとでも言うように強く絡められていたことだけ。