佐藤くんは甘くない



教室に瀬尾の断末魔が響く。

あまりの恐怖に、私の体が石になってしまったかのように固まった。


そして、しばらく絶叫していた瀬尾の悲鳴がぴたりと止まる。……ちょ、せ、瀬尾!?

一瞬も微動だにしない瀬尾から、手を離すと───真っ黒な瞳をした佐藤くんが、私のところに一歩、と近づく。


「さ、佐藤くん!?や、止めましょうッス!は、話せばわかる!話せば分かるから!!」

「……」


無言でもう一歩、前へ。

あ、あわ、あ、これはやばい。佐藤くんの怒りのボルテージが完全に振り切っている。


そして、その足が私の目の前で止まって───



「スマホ、出せ」



今までに聞いたことのない、腹の底から出したような悪魔の声が鼓膜を震わせる。

「あ、で、でもデスネ!こっ、これは私たちが一生懸命考えて出した───」

「───つべこべ言わずにさっさと差し出せ!!」

「いやあああああああっ」

いきなり私の手に持っていたスマホを取り返そうと、佐藤くんが手を伸ばしてくる。私も慌ててとられないように、腕を伸ばして応戦した、その時。



───ぴろん。