「とっ、とにかく考えましょう」
私はあわてて、両手をぶんぶんふりながら何とか言葉を繋げてみる。
佐藤くんの不安そうな視線が突き刺さって痛い。この3人で、そんな高度なラインの会話を成立させることができるのか至極不安だった。だって、みんな恋愛に疎いんだもん。
「佐藤くん、スマホ今ありますか?」
「……あるけど」
「じゃあ、ちょっと貸してください」
「なんで」
佐藤くんが、ポケットから取り出したスマホを守るように両手で抱えた。いやいや、どんだけ信用ないんだろう私。
「別に何にもしませんってば。だって佐藤くん打つの遅いじゃないですか。だから私が、代わりにやろうと思っただけですって」
「……。分かった」
どうやら、折れてくれたらしい。
私が手のひらを佐藤くんへ向けると、佐藤くんはそれをぽとりと私の上に落とした。が、その瞬間、
「何かしでかしたら、社会的に終わらせるから」
「何を!?」
「さあ」
佐藤くんが、ひゅーと口笛を吹きながらすっとぼける。
や、やべえ。
スマホに文字打つだけなのになんでこんなに手が震えるんだ。



