「礼儀?」
ひょこっと、佐藤くんが私の方へ顔をのぞかせて聞き返す。
「いきなりぐいぐい来られるのは、あんまり好ましくないッスね」
「まあ、一理あるよな。あとは、何だろ」
「堅すぎると逆にこっちの気が引けるから、ある程度慣れてきたら少しくらい明るいところを見せるのもありッスね」
「なるほど……気軽に話せるところを見せるのもありか。あとは、世間話とか当たり障りなく広げられるやつとか……」
「話していて楽しい人なら、ラインは続きやすいですね」
「なんか、話を聞くたび戦意が喪失していきそうなんだけど。それほんとにできるの?」
「……」
「……」
「なんでこっち見ないの」
佐藤くんの視線が痛かった。



