納得がいかなくて、きっと睨みつけるとウン臭そうな顔をした佐藤くんと、可哀そうなものを見るような表情を浮かべた瀬尾が姿勢を正し始める。
さて。
私は一度こほんと、咳払いをした後言う。
「じゃあ、さっそくお誘いの文考えてみましょうぜ」
「まあ、オーソドックスにお祭り行かない?とかが安全案だと思うけど」
瀬尾が、顎に手を当てながらつぶやく。
はあ、これだからモテない奴は……。
これ見よがしにため息をついてやると、瀬尾がむすっとした様子で私の方を見てくる。
「んだよ、他に何かあるのかよ」
「甘いよ、瀬尾。だから瀬尾はいまだにバレンタインにお母さんからしかチョコがもらえないんだ」
「うるせえよ余計なお世話だよいいからその話で俺の傷を抉るなよ!!」
バンバン机をたたきながら、瀬尾が叫んだ。うるさいうるさい、机が揺れるだろうがっ。
それまで黙っていた佐藤くんが、しれっとした顔で言った。
「マザコンな瀬尾は置いといてさ、」
「ごめんやっぱり置いとかないで、逆に辛いから止めて!」
「結城はどうなわけ?俺も、悪いけどあんまり突飛した誘い方はお断りなんだけど」
二人の視線が、私の方に向く。確かに、二人の意見はもっともだ。だけど、それじゃあだめなのだ。
「このお誘いは、単なるお誘いだけじゃないんスよ。
───いかに、お誘いラインから普段の会話にシフトできるかが掛かってるんですから」



