ぽつ、ぽつ、と白い手紙に灰色の斑点が浮かび上がる。止めどなく、流れ落ちていく。それは、手紙をぼやけせる。
何度も何度も、袖で目をこすり震えの止まらない唇を、噛みしめた。
「ぁ、ぅっく、ぅうう」
ぎゅっと、手紙を抱きしめて俺は吠えた。
いいんだ。
もう、俺は、自分を許しても。
お母さんに、愛されてたって、思っても……もう、いいんだ。
「お、かあ、さ」
お母さん、あのね。
「お、かあ、お母さん……っ、お母さん」
俺も、呼びたかった。
お母さんって、呼びたかった。たとえ、お母さんのもとへたどり着く道に、どんな壁が立ちはだかって、辛い道が待っていても、それでも、お母さんの子どもで居たかった。
お母さんがお母さんで良かったって、言いたかった。
もう、叶わないって分かっていても、口から言葉が溢れてくる。
そして、俺は、その手紙の一文を、読み上げる。



