佐藤くんは甘くない



あなたに、こうして手紙を届けることがこれで、最後になります。


振り返ってみると、寂しい気持ちだったり、後悔する気持ちだったり、いろんな気持ちがあふれてきます。



那月、ちゃんとご飯食べてる?

背はどれくらい伸びたのかな。

顔は、きっとお父さんに似て優しい顔立ちになっているはずね。


那月は頑張り屋だから、勉強を無理して夜更かししてしまいそうで、少し心配です。



きっと、あなたがこの手紙を読んでいるころ、私はもうあなたの手の届くところににはいないんでしょう。


……ごめんね。


ごめんね、ごめんね。

ごめんね、ごめんね、那月。



本当のことを、あなたに話したらきっと、あなたは傷つくでしょう。もしかしたら、もう、立ち直れないかもしれない。


私は、どうしても、それだけは避けたかった。


あなたがすべての事実を受け入れるだけの、時間を作りたかった。


身勝手なお母さんで、本当に、ごめんね。