佐藤くんは甘くない










「───那月、生まれてきてくれて、ありがとう」










自分が、嫌いだった。

大嫌いだった。


柚月の未来を奪って、家族を壊して、それでも生きようとする自分が大嫌いだった。嫌いだった、大嫌いだった。


どうして、自分なんかが生きてるんだろう。

何度も思った。何度も、何度も、何度も。




お母さん。

ねえ、お母さん。


……もう、いい?




もう、自分を許しても、いい……?