本当に、私って甘いなぁ。
そう思いながら、私は自分の胸をばん!と叩いた。
「なに落ち込んでんっすか。
佐藤くんの恋を叶えるために私がいるんじゃないですか」
力なく佐藤くんがこちらを見上げる。
にこおおっと自分の口元を上げて、
「趣味が合わなかろうと、性格が悪かろうと、佐藤くんが勇気を出して私に協力してほしいって頼んでくれたんですから。
大船に乗ったつもりでいてください」
「……うん」
「だからさっそくなんですが、明日一緒に帰りませんか?
ひまりちゃんと、私と、瀬尾と、佐藤くん4人で」
「うん……は!?」
ガタ!!っといきなり立ち上がった佐藤くん。うわあ、びっくりさせないでくださいよ。めっちゃ心臓止まるかと。
まだバクバク言っている心臓をなだめつつ、立ちあがった佐藤くんを見上げた。
口をパクパクさせ、何か言いたいらしいが何も言葉がでないらしい。焦ってる焦ってる。ふははは。



