「でも、これもあり得ません。
この手紙を見せる前までは、半信半疑でしたがこれで確信しました。貴方は、この手紙の存在を知らなかった。つまり、貴方でもないということです。
なら、誰なのか。
だれが、佐藤くんに手紙を渡して、渡し続けているのか。
その答えは、私の疑問の二つ目が解決してくれます。
どうして、今回だけ、郵便でなく私個人に直接手紙を渡されたのか。
今年の手紙を、私は───佐藤くんのお父さんの再婚相手、薫さんから直接手渡されました」
息を、飲んだ。
なんで、そこで……あの人の名前が出てくる?
どうして?
どうして、あの人が、お母さんの手紙を。
「この手紙をすべて読みましたが、見る限り筆跡はすべて同じでした。
ということは、薫さんが自作自演で佐藤くんへ手紙を渡している可能性は低いと思います。
……つまり、いつかは分かりませんが、早苗さんは死期を悟る前から、それとも後から佐藤くんに渡すための手紙を書きためていたんだと思います。
そして、それを再婚相手の薫さんへと手渡した。
3年前に亡くなった早苗さんから手紙が届く理由は、こういうことだったんじゃないかと私は思います。
そしてその手紙が、何時まで続くかは分かりませんが───おそらく、佐藤くんがすべての事実を、受け入れられる時がくるまででしょう。
それまで、手紙を渡し続けるはずだった」



