佐藤くんは甘くない



そして、俺を見て、それから繋がれた手を見て、視線をきょろきょろ上へ下へ移動させて、


「……ち、ちくわ星人は……」


「は?」


ちくわ星人?


結城がぼうっと焦点の合わない視線を、俺に向けて、数秒。はっと我に返ったかと思うと、小さく安堵のため息を漏らした。



「……い、今の夢でしたか」


「一体どんな夢」


「リギュース星からやってきた、ちくわ星人が世界のすべての縦長の棒をちくわに変えていくんですけど、それを地球異星人対策特例部の瀬尾と私と実は悪役の佐藤くんと、司令部のひまりちゃんが奔走する夢で」


「随分スケールのでかい夢ですね」

つか、俺黒幕。

結城の中で俺は、悪役なわけ?すごい不服。


ジト目で見ていた俺と、結城の視線が合う。結城はすぐにそらして、それから握っている手を見て、いきなり顔を赤くした。