顔が、熱い。
どうしてこんなに熱いんだろう。6月も終わりそうだし、きっともうすぐ夏になるから……そうに決まってる。
このどうしようもなく、くすぐったい酸っぱい気持ちのせいで、うまく地に足がついていないような感覚に陥る。
「……ふ、は」
はっと、我に返る。
後ろを歩いていた結城が、なぜだか小さく声を漏らしながら笑っている。
なんだか、自分が笑われているような気がして、というか絶対俺に対して笑っているに違いなかった。
「なに笑ってんの」
「いやぁ、佐藤くんがすごいかっこいいから、くすぐったくて」
「……どーせ、嘘。ふざけないで」
一瞬、本気になった自分が馬鹿に思えてくる。
なに、少し期待してんの。……あほらし。
ふいっと顔を逸らすと、無理やり結城が顔を覗き込んでくる。思わず体を逸らした。
「ふざけてませんよ。いたって本気ッス。あんまりにかっこいいので、ちょっとどきどきしました。きっと、これならひまりちゃんも佐藤くんの良さを分かってくれるはずです。思いも、伝わるはずです。
───佐藤くんは、優しいから」
佐藤くんは、優しいから。



