佐藤くんは甘くない



小さくため息をついた。


隣で、おおおっと興奮しまくっている結城を見て、もっと脱力。……あほだ。


くすくすとほほ笑みながら、おばあちゃんが立ち上がる。



「まあ、今回は見逃してあげましょう。貴方たち、お昼ご飯は食べた?」


「まだ」


俺がそう答えると、おばあちゃんは、



「じゃあ、せっかくだし食べて行って。孫の顔が久々に見れて、おばあちゃん奮発したくなっちゃったわ」


「あ、私お手伝いします」


「ありがとう」


結城がそういって、立ち上がる。


「結城さんは、気遣いのできるいい子ね。ぜひお嫁に来てほしいわ」


「おっ、OYOME!!」


「おばあちゃん!!」


もじもじして、真っ赤な顔をする結城。

思わず声を張り上げる。が、さすがは自分よりも何十年と長く年を重ねているだけあって、さらりと流されてしまった。……くそう。

台所に消えていく、二人の背中をぼうと見ながら、頭の片隅で誰かが囁く。




───どうして、おばあちゃんは話を逸らしたの?と。