佐藤くんは甘くない



おばあちゃんは、母方の叔母だった。


お母さんが家を出て行ってからも、ちょくちょく来てくれていたと思う。……あの頃の記憶が曖昧で何もかもどうでも良かったから、はっきりと覚えていない。


どうやら、俺と父さんが家を出て行ってから、残された家はおばあちゃんが管理していてくれたそうだ。


ちょうど、様子を見てきたところで偶然俺達に遭遇した、ということらしい。



目の前に差し出された緑茶を、ちびちびと飲みながら目の前に座るおばあちゃんの様子を窺っていると、いきなり上品な笑みが崩れる。


そうして、


「ところで、那月くんと結城さんの御関係は?」


「───ごほっ……!!」


思いっきり、むせた。

何とも思っていない、というかその辺鈍感な結城は、だ、大丈夫?と言いながら俺の背中をさする。


「お、おばあちゃん!」


「あらあら、そんなに食って掛かって。もしかして図星かしら?」


せせらと、軽く窘めるおばあちゃん。



「全然違うから!まったく違うからっ……!結城からもなんか言ってっ」



「そうですよ、おばあさん。私と佐藤くんは抱き合うくらいの関係です。それに佐藤くんにはほかに好きな人がいますよ!!」



…………あほだ。


コイツを頼るべきじゃなかった、と後悔した。