そう。
私は、逃げた。
逃げたから、今でも後悔している。後悔し続けている。
逸らしたい真実から、忘れたい過去から、逃げだして、いつまでも後悔している。
「きっと、私やひまりちゃんや瀬尾から遠ざかれば、佐藤くんの罪悪感は少しだけでも薄まるんでしょう」
「……」
「けれど、佐藤くんの悪意があってもなくても、私を殴ってしまった事実が変わらない限り、佐藤くんは私への罪悪感を完全に消すことは出来ないんでしょう」
「……」
「だから、逃げ出すんでしょう。
でも、それはその場しのぎでしかありません。
だから、佐藤くんは罪悪感で後悔しない代わりに、逃げたことに後悔する羽目になる。そして、逃げ続ける自分に後悔し続けるんです」
「……」
そう、私はその場しのぎで、その罪悪感から逃げ出した。
……だけれど、それは、間違いだった。
「佐藤くん、私が言ったことを、覚えていますか」



