「───待って」
呼び止め、られた。
自分で思ったよりも驚いたのか、ドアノブを掴んでいた手が少しだけ揺れている。
「どうしました?」
少しだけ振り返る。佐藤くんが、布団から少しだけ顔を出してじっとこっちを見た後、むすっと口を尖らせて、ふて腐れたように呟いた。
「……い、……う」
「はい?」
「……今の、嘘」
「は?」
爆発音でも聞こえるんじゃないかってほど顔を真っ赤にした佐藤くんが、耐え切れなくなったのか、ぱふっと、布団をかぶって、
「っっ、だから、お見舞い!来てくれて嬉しかったって言ってんの!」
そう叫ぶ。
……ええっと。
言葉を理解するのに、少しだけ時間がかかる。まるで、血液が循環するようにどんどん、実感して。



