私も、答えなくてはいけない。
すっと、身体をずらして、おじいちゃんの真正面で正座する。
「顔、あげてください」
そう声を掛けると、おじいちゃんが畳についた手を震わせる。そうして、ゆっくりと顔を上げた。
「約束します。
佐藤くんがどうしようもなく、迷っているとき、困っているとき、必ず佐藤くんの味方でいつづけると、約束します」
じっと、見つめる。
私の瞳に映った佐藤浩一郎という、佐藤くんのおじいさんは、とても厳しそうに見えるのに心の奥に温かさを持っているのだと、思う。
「ありがとう」
お礼を言われるまでもなく、私は最初からそのつもりです、と口には出さない。私はただ頷いた。
おじいちゃんは、目を細めて、何かを言うべきか言わないべきか決めかねているようだ。ようやく口を開くと、まるで言葉を探すように、濁すように、言う。
「……あれは、あまりにひどい仕打ちを受け過ぎた。守られるべきなのに、情けないことに……誰一人として守ってやれるような大人が周りにいなかった」
「……」
「───那月の母親は……、那月を置いて、出て行ってしまったんだ」



