「……俺、他に食べれるもの、ないし」
「病人はちょっと食ったらさっさと寝ればいい」
「……結城が作ってくれたから」
「まずいって言ってるやつに食わせるのは勿体ない。ほらよこせ」
ぐいっと、じいちゃんが無理やり俺からおかゆを取り上げようと手を伸ばす。
このじじい意外に力強い。ぐい、ぐい、と引っ張られて、俺はなんとかそれを自分の方に引き寄せる。
「安心しろ、じいちゃんの美味しいおかゆ、まだちょっと残ってるから」
「っっ、」
一瞬、あの微妙なおかゆの味が舌に蘇る。
力が抜けて、おかゆの入ったお椀ごと取られそうになって、
「───すごいっ、美味しい!だから、俺はこれがいいんだってば!」
……あ。
思わず、言った言葉が頭を駆け巡って、だんだん、顔が熱くなっていく。じいっと見つめてくる隣の視線が、痛くて恥ずかしくて、無言のままにやにやしてくるじいちゃんからお椀を取り上げて、座る。



