佐藤くんは甘くない



なぜか、じっと結城が見てくる。


何とも言えない居心地の悪さを感じながら、レンゲで湯気が揺れるおかゆをすくって口に入れる。ほんのりだしの味と、たまごの甘みが鼻をすうっと抜けていく。……いつものより、美味しい。


「美味しいですか?」


不安そうに、結城が覗き込んでくる。なんでアンタが聞くんだよ。



「……まあ、美味しいけど」



いつもは、じいちゃんと自分で家事を回してやっている。

でもここしばらく風邪が長引いたせいで、おかゆはじいちゃんが作ってくれていた。でもあんまりおいしいわけじゃない。

いきなりの成長にちょっと驚いた。じいちゃんたまにはやるんだ。


そういうと、結城がほっとしたように肩をなでおろしてにやにや、じいちゃんもにやにや。……なんだこいつらほんときもい。


「それ、こはるちゃんが作ったんだぞ」

「っっ、」


ごほっと、むせそうになる。


「いやー美味しいっすか、ふははは、佐藤くんに褒められたのは初めてですおじいちゃん!」

「そりゃあ良かった」


どんだけ気が合うのか、じいちゃんの親指を立ててグーサインを交わし始める。


……なんか腹立つ。