佐藤くんは甘くない




───自分の、泣き声で目が覚める。

……もう、何回目だろうこの夢を見るのは。


ぼうっと、天井を見上げる。

それはたまった雫のせいでちかちかして、眩しい。でも、目を細めてしまったら全部流れていきそうで、怖くなる。


「……はあ……」


身体に何か鉛でものしかかったように重い。頭の内側で誰かが金槌でも叩きつけているような痛みが大きくなったり、小さくなったりを繰り返す。


腕に力を込めてゆっくりと、上半身を起こすと、ぺらりと何かがおでこから剥がれ落ちる。手のひらの上に落ちたそれは、濡らしたタオル。


……あれ。

俺、なんで、ここにいる?


確か、結城がうちにきて……家に上げて、それからお茶を入れようと台所に行って……。


そうだ。

倒れた。足がもたついて、そのまま倒れて───それから。……それから、どうしたんだろう。


部屋を見回す。ベットのすぐ横の小さなテーブルに、結城が買ってきてくれたゼリーとポカリ、それから水をためた桶、体温計。