くっそ。
なんで気づかなかったんだよ、私は……!
自分自身に腹が立ってくる。
でも、今はそんなことを想っている場合じゃない。
私は、倒れこんだ佐藤くんの左のわき下に腕を通す。そして、足に力を込めて、ぐっと立ち上って───
「っっ、おも……っ」
予想以上の重さが、私の体にのしかかる。
無意識な人間ってこんなに重いのか。持ち上げたはいいものの、このままじゃあ重すぎて、足を踏み出しただけで転倒しそうだ。
「佐藤くん、しっかりしてください」
「……ぅ、……」
うわごとのように、何かを呟くとそのまま、私の方にもたれ掛ってくる。うがっ、おも、重すぎる死ぬ。倒れるこれは本当に倒れる。
誰かに助けを求めようにも、誰もいない。
どうしよう、と涙目になったその時。
「───なんじゃいね」
声がした。ああ、これは助けが来てくれた。ありがとう、神様───そういって、顔を上げて私は絶叫した。
目の前に全身真っ黒の、名探偵コナンに出てくる犯人みたいな人が、立っていたから。



